大学院修士課程生物地球科学専攻の平岡和さんが日本植生史学会(10月30~31日・ハイブリッド開催)で、優秀発表賞を受賞しました。
平岡さんの発表題目は、「縄文時代におけるニワトコ果実の用途の推定」。縄文時代の遺跡から大量に出土するニワトコ果実が,何に使われていたのかを酒造実験や成分分析により推定しました。ワイン発酵科学センターの金子明裕教授の指導の元,ニワトコを使った酒造実験を行い,お酒ができないことを証明し,これまでの酒造説を否定しました。さらに,考古資料や民俗例の調査,成分分析を行い,ビタミンが豊富な保存食としての利用の可能性を指摘しました。
指導教員の那須浩郎准教授は、「考古学における疑問の解明に実験や民俗例調査,成分分析などの多角的な手法でアプローチした点と、ポスターの分かりやすさが、評価されたのではないか」と話しています。
平岡さんは「昨年はCOVID-19の影響で遠方での調査には出にくかったのですが,様々な方に協力していただいたおかげで,試料を集めることができ,研究を継続することが出来ました。ご協力頂いた方々に感謝しています」と喜び、将来について「今後の研究に役立つような信頼できるデータを出していくことで,学問の発展に貢献したいと考えています」と話しています。