天文・気象学
岡山は「天文王国岡山」と呼ばれるように天体観測の好適地です。そんな地の利を生かし、天文学を基礎から広く学習します。岡山理科大学天文台等での天体観測実習を中心として、天体観望会や、双眼鏡および望遠鏡を用いた天体観察の指導、科学館・プラネタリウム・天文台の訪問も行い、多様な学びの場を提供します。
気象学では、大気科学、気象学、気候学の全般を学習しながら、さまざまな気象測器を用いて観測する技術を学習します。また、気象予報士の資格の勉強にも役立つような講義を提供します。
講義・研究
天体観測条件の良い「天文王国岡山」
天文台で観測実習や見学も
岡山理科大学C2号館の屋上に設置された岡山理科大学天文台では、望遠鏡やカメラ・分光器などの装置をコンピューターで操作し、天体観測を行っています。岡山は日本国内で天体観測条件の良い土地です。そのため国立天文台の岡山天体物理観測所(旧称)などの日本国内の大望遠鏡が集中しており、「天文王国岡山」と呼ばれています。近隣の天文台で観測実習や見学も行います。
また、日本国内ではあまり例のない中間赤外線が観測できる新装置ONIcamの開発も進めており、近隣の望遠鏡に取り付けての観測も計画しています。また、すばる望遠鏡などの海外の望遠鏡での最先端の出張観測も行っています。
天文の観測実習を通じ
科学館等で働く実践力も身につける
天文の実習では、実際に星空を見る機会を設けています。観望会では、月をはじめとし、水星・金星・火星・木星・土星など太陽系の惑星、さらに、アルビレオといった重星、オリオン大星雲やプレアデス星団、アンドロメダ銀河など見ごたえのある天体を望遠鏡や双眼鏡でのぞいてみたり、星座や天体の見つけ方などを紹介しています。コンピューターを使って専用ソフトで観測実習で取得したデータの解析も行います。
また、生物地球実験室には西日本最大級の4次元デジタル宇宙シアターが常設されており、太陽系から宇宙の果てまでを3D(立体視)で見て体験することができます。4次元デジタルシアターはオープンキャンパス等で一般公開をしています
ヘリウム気球などを使った観測実習を通し
観測機器の扱いや測定精度を学ぶ
天文や気象の分野でも、野外での観測は重視されます。気象をテーマにした観測実習では、ヘリウム気球を使って上空の風向風速を調べたり、温度計や湿度計を使って地上気象の時間変化を追跡したりします。そのなかで気象観測機器の取り扱い方や測定精度を学び、観測のときに発生するトラブルの防止や対処、測定値の意味を考える力を実習のなかでつけます。
日本各地で発生する大気現象を
さまざまな手法を用いて研究
気象をテーマにした卒業研究は、日本各地で発生する大気現象を対象にしています。おろし風や海陸風などの局地風、霧や雲海といった水蒸気の凝結現象、夏の高温化のような地域の気候まで幅広く研究します。これらの現象の発生メカニズムを調べるだけでなく、私たちの生活や健康にどのような影響を及ぼすか、例えば熱中症などの病気のリスクまで考えます。研究では、野外観測はもちろん、統計モデルやAIの利用、数値シミュレーションなど、さまざまな手法を用いています。
関連する講義・実習の科目例
- 基礎科目
- 地球科学概論、天文地学実習
- 専門科目
- 天文気象・地球の数学、気象学概論、天文学概論、天文学史、天体力学、宇宙生命学、天気図解析、大気物理学、天体物理学Ⅰ、天体物理学Ⅱ、天文データ解析、天文気象学実習
- 上級科目
- 野外博物館実習 (天文地学)
※ 上記の科目は、令和7年度入学生のものです。カリキュラム変更の関係で、一部変更となる場合があります。