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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

 生物地球学科 矢野興一先生(植物系統分類学研究室)と2019年度矢野研究室卒論生(当時)の鳥丸郁布さん、本学自然フィールドワークセンターの東馬哲雄先生との共同研究で、岡山県備前市で発見されたカヤツリグサ科植物の新雑種分類群を「Schoenoplectiella x naritaensis Yashiro nothovar. bizenensis O. Yano & Torimaru(和名:ビゼンイ)」と命名した論文が日本植物分類学会 国際誌に掲載されました。
 2004年に現地調査でこの雑種分類群をすでに認識していたのですが、検討を重ね、矢野研究室卒論生の鳥丸さんが2019年度に卒論として多角的な研究手法で解析を進めました。それらを今回まとめて、さらに追加解析をした結果、本分類群は、外部形態解析・染色体解析・DNA解析から母親種ヒメカンガレイと父親種ホタルイの種間雑種であることが明らかとなり、さらに近縁な他の雑種と区別できることから、新雑種分類群として記載・命名し、正式発表しました。

掲載誌情報等は下記です。
Torimaru Y, Ohi-Toma T, Yano O (2021)  A new hybrid, Schoenoplectiella x naritaensis nothovar. bizenensis (Cyperaceae), from Okayama Prefecture, Western Japan. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 72(2): 125-134.
DOI: https://doi.org/10.18942/apg202014


写真:新雑種分類群ビゼンイの小穂