題目：東アジアにおけるイノシシ・ブタ利用文化の動物考古学的研究  

講演者：富岡直人さん（理学部教員）

講演概要： 10年程以前より、日本の弥生時代にもブタ飼育文化があったのではないかと 指摘され、21世紀に入ってユーラシア大陸での調査成果と比較する試みが拡大 しつつある。近年は古家畜学の理論的進歩がめざましく、MtDNA分析では、弥 生時代に飼育されていた可能性のあるイノシシ類が、ニホンイノシシの系譜上 にあるとの見通しが示されるとともに、リュウキュウイノシシと愛媛県弥生遺 跡出土イノシシ類がベトナムの野生イノシシと飼育ブタと同一系譜にある可能 性が指摘されている。さらに、イノシシ類の頭蓋を用いる祭祀文化は広く東～ 東南アジアに分布しており、その文化的あり方も時代や地域によって異なって いることが明らかとなり、考古学的考究が続いている。今回の発表では、この ような最新の研究成果と、血しぶきが飛ぶような考古学「ブタ」大論争の行方 をわかりやすくお話しいたします。（映像には動物解体等の様子が含まれ、お 見苦しい点がありますことを、あらかじめおことわり申し上げます。）  

日時：11月27日（木）1640-1740  

場所：21号館1階会議室