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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

題目:分散型動原体を持つ染色体の構造解析  

講演者:星野卓二さん(生物地球システム学科教員)

講演概要:遺伝情報を正確に複製し細胞分裂の際、両娘細胞に均等に分配することは生物にとって必須の条件である。その遺伝子分配に重要な働きをするのが動原体である。紡錘糸がこの動原体部に付き、その後染色分体が両極に移動し遺伝子の分配は完了する。動原体は染色体の一次狭窄と呼ばれる部位にあり、高等生物では1カ所に局在している。しかし、ある特定の分類群は動原体が染色体に分散している分散型動原体を持っていることが知られている。この分散型動原体を持つ高等生物は、動物界ではカイチュウ目、鱗翅目(ガやチョウの仲間)と半翅目(カメムシ、カイガラムシの仲間)、植物界ではカヤツリグサ科、イ グサ科、モウセンゴケ属などである。これらの分類群は、カイチュウ目を除くと系統的には原始的なグループとは考えられず、どのようにして出現したのかは明らかになっていない。これらの分散型動原体を持つ染色体の構造を解析するために、カヤツリグサ科やイグサ科植物の染色体にrDNA, telomere遺伝子をプローブとしたFISHを行なった。また、高等生物の動原体に局在するGypsy型 のレトロトランスポゾン遺伝子の解析結果についても紹介する。  

日時:6月5日(木)1640-1740  

場所:21号館1階115講義室