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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

題目:深海底掘削研究の現状と将来 -DSDPからIODPまで  

講演者:鳥居雅之さん(生物地球システム学科)

講演概要: 地球惑星科学には2つのフロンティアがある.1つは惑星探査であり,もう 1つは深海底掘削である.いずれも大規模プロジェクト型研究であるが,前者 が国威発揚型の研究となりがちなのに対して,後者は一貫して極めてオープン な国際的共同研究として40年近く続いてきている.この深海底掘削研究の歴史 にとって大きな節目が今年の秋に,しかも岡山を重用な舞台として訪れる予定 である.この機会に,1968年に始まったDSDP以来の深海底掘削研究の歴史を概 観し,今年10月から開始されるIODPの概要を説明したい.深海底掘削は,人類が未だ直接手にしたことがないマントル物質を掘削する ことを目指して始まり,しかも未だに実現していない.その一方で,プレート テクトニクスの実証,海底堆積物から地球の環境変動の歴史を解明する研究, メタンハイドレートなどの新資源の研究,さらに大深度地下微生物の研究など とテーマをつぎつぎと新しく開拓してきた.今年10月から開始されるIODPで は,玉野港で建造されつつある6万トンの大型深海掘削船「ちきゅう」による プレート境界型大規模地震発生帯の掘削研究,従来の概念を越えた規模のマン トル活動(プルーム)の実証,海底地下微生物圏の研究などの新しい研究が展 開される予定である.  

日時:5月8日(木) 1640-1740  

場所:21号館1階会議室入り口左手奥)