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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

下記の通り、第68回生地談話会を開催致します。学内外のどなたでもご自由に参加できます。ご参加ください。

演題:
(1)「岡山市で観測されるヒートアイランド現象」
 重田祥範(岡山大学大学院 自然科学研究科)

概要:
近年,環境問題の1つとして,都市部の大気が郊外に比べて高温になるヒートアイランド現象がメディアなどでも大きく取り挙げられている.ヒートアイランドは,都市規模や建物の密集度など都市構造の違いのほかに,都市が立地する周辺郊外の環境によってもその特徴が大きく異なり,地域性が強い現象とされている.
本講演では,過去数年間にわたって岡山市で気象観測をおこなった事例をもとに,「岡山市のヒートアイランド現象の実態」について報告する.観測では,地上における気象観測のほか,ヘリコプターを用いた上空からの地表面温度やビル壁面温度の測定も併せておこなった.その結果,岡山市街地中心部では,過去にほとんど報告がない「クールアイランド現象」が形成されていることも明らかとなった.私たちが住む岡山市の気温を,長年にわたって観測してきた結果を,苦労話なども含めて分かりやすく紹介する.

(2)「WBGTの計測からみた熱中症リスク」
 大橋唯太(岡山理科大学・生物地球システム学科)
概要:
熱中症の発生が多くなる季節がやってきました.日本体育協会,産業衛生学会,生気象学会はそれぞれ運動時,労働時,日常生活時の熱中症予防指針を公表しています.そのなかで,熱中症危険度の目安となる数値として「WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature);和名 湿球黒球温度」が用いられています.このWBGTは比較的簡単に計測できるため,今後,一般の人も扱える安価で携帯型のWBGT計が広く普及することが予想されます.また,民間気象会社や一部の自治体では既にWBGTによる「熱中症予報」も始めています.私の研究室でもWBGTの測定を通して,気象の観点から熱中症危険度を調査していますので,その紹介をするとともに,前題の岡山市のヒートアイランド現象との関係や,WBGTの取り扱いに関する注意点などについても発表で触れてみたいと思います.

日時:7月9日(木)16:40-18:10  場所:21号館1階 会議室