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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

下記の通り、第64回生地談話会を開催致します。

演題:  
(1)岡山平野・児島湾干拓地の基盤構造からみた地震災害の特徴
講演者:西村敬一(生物地球システム学科)

概要:
1946年昭和南海地震による岡山県内の被害は瀬戸内海沿岸域で最も大きく,中でも児島湾干拓地の被害は甚大でした。震災を体験された地元の方々は,損壊した家屋が特定の地区に集中する傾向があったことをよく覚えておられます。被害が集中した原因については,多くの方が,その地区の表層地盤が非常に軟弱なためという解釈を聞いておられるようです。しかし,ボーリング資料などをみる限り,表層地盤の影響だけでは被害集中の原因を説明できそうにありません。  
そこで,数年前からゼミ生・院生とともに,重力探査という方法を用いて花崗岩質岩盤の構造(基盤構造)を調べてきました。神戸の地震の教訓として,被害分布に及ぼす基盤構造の影響に目を向けなければならないことを学んでいたからです。最近ようやく,干拓地全域の基盤構造が明らかになり,地震ハザードマップの第ゼロ次案を作成できるようになりましたので,そのあらましをお話するとともに,被害分布との関係について考えてみたいと思います。

演題:  
(2)天体CCD分光事始
講演者:田邉健茲(生物地球システム学科)  
概要:
天体のスペクトルを取得する分光観測は、かつては大口径(1メートル以上)の望遠鏡によってやっと可能な分野でした。それは、検出器が写真であったからです。分光器自体もかつては巨大で重いものでした。しかし、21世紀になって安価で高感度のCCDカメラが入手できるようになり、しかもコンパクトで軽量の分光器が作られるようになったため、20センチ~30センチクラスの小口径望遠鏡でも分光観測が可能になりました。私たちの研究室・天文台では3年ほど前から口径28cmの望遠鏡にCCD分光器を取り付けることにより、それまでは大きな天文台でしかできなかったさまざまな天体(各種の輝線星やクェーサーなどの活動銀河)のスペクトルを取得することに成功しました。特に銀河のスペクトルの取得は宇宙の膨張を測ることでもあります。そのような成果を、手探りでCCD分光を始めたときの苦労話も含めて紹介したいと思います。


日時:6月25日(木)16:40-18:10  場所:21号館1階 会議室