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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

下記の通り、第64回生地談話会を開催致します。学内外のどなたでもご自由に参加できます。皆様のご参加をお待ちしています。  

演題:  
(1)更新世の琉球列島における陸生カメ類の種多様性とその生物地理学的意義
講演者:高橋 亮雄 資格取得支援・教職学芸員センター(生物地球システム学科)

概要:
琉球列島に広く点在する後期更新世の陸成堆積物からは、絶滅種を含む多様な脊椎動物の化石がおおく発見されています。こうした化石は、この列島の陸生脊椎動物相のなりたちを解明するための絶好の資料です.しかしながら、従来の研究の多くは適切な比較標本や解析法を欠いた予察的なものであったために、化石の同定や系統的位置づけにおいて明らかな誤りを含む問題を多く残してきました。そこでこうした化石のうち、頑丈な甲羅を持つため保存されやすく、骨の形態形質についての評価もよくなされているカメ類に着目し、その分類学的位置づけについて検討を試みました。その結果、琉球列島にはほんの数万年前まで、在来の3種に加え、現在では絶滅してしまった6種の陸生カメ類が分布していたことが明らかになりました.今回は、こうした陸生カメ類の化石についてのこれまでの研究成果と、それが示唆する古地理学的意義についてお話します。

演題:  
(2)霊長類の生殖現象と光環境
講演者:清水 慶子(理学部・動物学科)
概要:
霊長類の多くの種は、四季の季節変化の少ない熱帯域から亜熱帯域に生息しており、おしなべて性腺活動に季節性が見られません。しかし、温帯域にすむサルでは繁殖期に季節性が見られます。とくに、ヒト以外の霊長類のなかで最も高緯度地方に生息するニホンザルでは、高等霊長類の中で例外ともいえるほど明瞭な繁殖期の季節性をもっています。
今回は、光条件を中心とした物理的環境因子が霊長類の生殖現象にどのような影響を及ぼしているのかを、季節繁殖と思春期発来に焦点をあて、他の動物やヒトと比較しながら紹介します。

日時:6月4日(木)16:40-18:10  場所:21号館1階 会議室