ニュース

生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

下記の通り、第63回生地談話会を開催致します。学内外のどなたでもご自由に参加できます。皆様のご参加をお待ちしています。

演題:  
(1)魅力的(?)な鉱物(magnetic mineral)アレコレ
講演者:鳥居雅之(生物地球システム学科)

概要:磁性鉱物とは,磁石としての性質を強く示す天然の結晶です。地球上には非常に多量の磁性鉱物があります。それらは,岩石や泥・砂の中はもちろん,バクテリアや動植物の体内にもあります。磁性鉱物は,特別なものを除き,鉄を含む結晶です。鉄は地表で4番目に多い元素です。ですから,地表には磁性鉱物があふれています。つまり,地表は「磁石まみれ」です。とはいっても,鉱物の種類はそれほど多くありません。鉄と酸素が化合した「酸化物」,硫黄と化合した「硫化物」,水酸基と化合した「水酸化物」が大部分です。しかし,チタンなどの鉄以外の陽イオンが結晶の中に入ってきますから,実際にはかなり複雑になります。この複雑さは,例えばマグマのいろいろな条件の反映だったりします。ですから,実際に見つかる磁性鉱物は,ものすごくいろいろです。でも,磁性鉱物ですから,磁石としての強さや「硬さ」を測定してやれば,案外簡単にどんなものか決めることができる場合もあります。そのための測定は,鉱物を溶かしたり,燃やしたりしなくても「非破壊」でできます。つまり,簡単に,素速く測定できます。その上,電子顕微鏡でも見えないような超微小な鉱物の大きさを,磁性に基づいて推定することもできます。このような磁性鉱物の特徴を生かして,地球上での物質の移動経路(環境変動)を調べたり,岩石の成因を調べたり,もちろん地磁気に関係した研究をしたり,いろいろなことができます。今回は,磁性鉱物の種類とその調べ方を中心にお話します。


(2)蝶・蛾類幼虫の摂食行動と捕食者回避
講演者:田川純(生物地球システム学科)

概要:樹木や草本の葉を餌としている蝶や蛾の幼虫の多くは捕食者の餌となり得る可食昆虫です。幼虫が葉上で摂食していれば、これらの虫を餌とする捕食者の目に付きます。また、葉に残る食痕も虫の存在を捕食者に知らせる手掛かりとなります。今回は、蝶・蛾類の虫が捕食者から身を守る方法を幾つか簡単に紹介します。

日時:5月28日(木)16:40-18:10  
場所:21号館1階 会議室