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生物地球学部 生物地球学科でおこなわれている、様々な講義・野外実習・各研究室でのイベントを紹介しています。随時、記事がアップされますので楽しみにしてください。

第62回生地談話会を下記の通り開催致します。学内外のどなたでも自由に参加できますので、ご参加をお待ちしています。
今回は2本立てでお送りいたします。新一年生の方も、ぜひご覧になってください。

演題: (1)温暖化が昆虫に与える影響  
講演者: 中村圭司 (生物地球システム学科)

概要:近年、都市の平均気温が上昇している事が報告されています。ヒートアイランド現象などに地球温暖化の効果も加わり、ここ数十年の間に大幅な気温の上昇が記録されています。これは岡山市でも例外ではありません。このような変化は生物の分布や生活史を変えていくことが予想されています。昆虫は外界の温度に合わせて体温が変化する変温動物であるため、環境の温度変化に大きく影響を受けます。そこで、この発表では温暖化が昆虫に対してどのような影響を与えているかについて、生物地球システム学科の最近の卒業研究の結果から紹介します。


演題: (2)瀬戸内に隔離分布する絶滅危惧種アッケシソウの起源  
講演者: 星野卓二 (生物地球システム学科)  

概要:アカザ科植物のアッケシソウは日本の北海道東部と瀬戸内の海岸に隔離分布していますが、韓国の沿岸地域にも生育しています。瀬戸内のアッケシソウの起源に関しては、北前船により北海道から持ち込まれた「北前説」が有力でした。アッケシソウは、瀬戸内の塩田跡に分布が限られていることから、北海道との塩の交易によりもたらされたと考えられていました。そこで、アッケシソウの起源を明確にするため、北海道、瀬戸内および韓国からアッケシソウを採集し、葉緑体DNAを比較しました。その結果、瀬戸内と韓国の葉緑体DNAは一致し、韓国から過去の交易の際、人為的に瀬戸内に運ばれた可能性が高いことがわかりました。今回の発表では、韓国での調査風景とともに研究成果を紹介します。  

日時:4月23日(木)15:00-16:30  
場所:21号館1階 会議室