島暮らしのアマミノクロウサギは 「ゆっくり成長」 ――成熟までの期間が近縁種の5倍、現生哺乳類では世界初の発見――
岡山理科大学恐竜学科の林昭次准教授、同大学卒業生の近藤慶さん、澤中維吹さん、荒木海人さん、三上聖加さん、東京大学の久保麦野准教授、琉球大学の伊澤雅子名誉教授からなる研究チームは、日本の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」の骨組織を分析し、この種が近縁種と比べて約5倍の期間世界的にも極めてゆっくりと成長することを初めて明らかにしました。こうした著しい成長の遅延は、島に生息していた化石種では知られていましたが、現在生きている哺乳類で確認されたのは世界初となります。本研究は、餌資源が限られ捕食者が少ない島という特殊な環境下において、小型哺乳類が非常にゆっくりとした生活史へと進化する可能性を実証した重要な成果となります。
この研究成果は、2025年4月3日発行の日本哺乳類学会が発行する国際誌『Mammal Study』50号(琉球列島の哺乳類研究特集号:林准教授と久保准教授が共同企画者として参画)に掲載されました。
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