最近の出来事2021




2021年9月30日 【日本学術振興会 二国間交流事業 オープンパートナーシップ共同研究】の採用

モンゴル国科学アカデミー古生物学研究所(研究代表者 Dr. Khishigjav Tsogtbaatar所長)の研究チームとともに,日本学術振興会の二国間交流事業(共同研究)に採択されました。二国間交流事業は、個々の研究者交流を発展させた二国間の研究チームの持続的ネットワーク形成を目指しており、日本の大学等の優れた研究者が相手国の研究者と協力して行う共同研究の実施に要する経費を2年にわたって支援されます。

日本側研究チームは,私の他,同学科の高橋亮雄教授,林昭次講師,千葉謙太郎講師,高崎竜司研究員や,本学他施設の青木一勝准教授をはじめとした、教員や本学科所属の大学院生などから構成されています。研究テーマは,「後期白亜紀陸上動物相大変革の解明と自然科学教育を用いたESDの開発;Unraveling Cretaceous Terrestrial Revolution in Mongolia and Development of ESD based on Natural Science education」であり,本学科を中心に進めてきたモンゴルゴビ砂漠の化石研究を用いて,さらなる国際的な生涯学習のシステム構築を目指しています。本事業は,若手研究者の育成に資する事業を採択の条件の1つに挙げており,学科所属の学生のみならず,モンゴルの若手研究者の更なる育成にも寄与します。


2021年5月6日 ヤマトサウルスのプレスリリース

本研究室に所属する日本学術振興会特別研究員(PD)の高崎さんが参加された研究成果の記者発表会を行いました。淡路島から産出したハドロサウルス類の記載論文であり、北海道大学総合博物館の小林快次教授や、兵庫県立人と自然の博物館の久保田克博研究員らとの研究成果です。産出したハドロサウルス類の化石に対し、新たにYamatosaurus izanagiiとの新属新種の報告となりました。コロナ禍の中、海外になかなか出られない状況ではありますが、本邦より産出した恐竜化石の研究推進にまい進して頂いています。なお、関係する論文は以下の通りです。

A new basal hadrosaurid (Dinosauria: Ornithischia) from the latest Cretaceous Kita-ama Formation in Japan implies the origin of hadrosaurids
Yoshitsugu Kobayashi, Ryuji Takasaki, Katsuhiro Kubota & Anthony R. Fiorillo
https://www.nature.com/articles/s41598-021-87719-5


2021年3月23日 古生物学・地質年代学研究センターの年度末報告会

本学に設置されている古生物学・地質年代学研究センターの2020年度末の報告会が、3月18日に行われました。本研究室からは、大学院へ進学する卒論生2名、大学院生1名、PDである高崎さんが発表されました。本学で実施していた研究ブランディング事業が終了してから1年弱ですが、この5年間で、色々なモンゴル化石研究の形が見えてきたように思います。

さて、2020年度はコロナ禍の中、激変する世界の中で、卒論生・修論生・PDとも大変なご苦労をされた1年でした。しかし、モンゴル調査が中止となり、逆にこれまでの成果とこれからのことを考える時間ができたことも事実です。今回の報告会は、これらを整理する良い機会となりました。来年度以降、成果が形となって現れることを心から願っております。そして私も頑張ります。年度初めによいご報告ができると思います。

 


2021年1月25日 古生物学実習も終わりそうです

2020年度の古生物学実習も、一部を除いて終了の時期となりました。毎年、本実習では奈義町にあるビカリアミュージアムより提供された軟体動物化石の型取り作業を行っています。自ら化石の型取りをした上で、キャストを制作、最終的に塗装まで行います。10月から半年に渡って実施してきた実習も、22日(金)にひと段落となりました。型取りといっても、その手法は数多くあります。本実習では今後必要な型取りに対応できる手法を、化石クリーニング・型取り作業・キャスト制作・塗装を通して、化石プレパレーターが行っている作業を、学生さんに体験して頂きます。皆さん頑張りましたね、ご苦労様でした。以下、最後に行った塗装作業の様子を写真にて紹介します。

【写真上;塗装作業の実習風景(少人数に分かれての作業としています)】
【写真中;キャストへの塗装作業(下地を丁寧に塗布しました。その時間なんと2時間です!)】
【写真下;塗装された軟体動物化石のキャスト(下地を丁寧に塗布した結果が出ています。実物に近づいたでしょうか?)】