最近の出来事2019


2019年12月5日 卒論・修論中間発表

 11月30日に卒論中間発表会があり、研究室卒論生4名が発表を行いました。また12月6日に修論中間発表会が予定され、2名の大学院生が発表予定です。卒論生の皆さんは、これから2月の本発表へ向けてライトスパートを頑張りましょう。また修論生の皆さんは、これまでの成果をしっかり発表して下さい。

卒論中間発表題目
・恐竜学博物館の展示更新に関わる映像記録
・LA-ICP-MSを用いたカリーチのU-Pb年代測定
・歯のマイクロウェアに基づくティラノサウルス類の食性推定
・モンゴル国ゴビ砂漠南西部に分布する上部白亜系Nemegt層に含まれる石英のESR信号とその特徴
修論中間発表題目題目
・モンゴル国ゴビ砂漠東部に分布する上部白亜系Bayanshire層の岩相層序とジルコンのU-Pb年代測定法
・モンゴル産プロトケラトプスの再検討

【写真;発表を行うOさん】


2019年11月5日 野外調査法実習Iの実施

 10月30日、11月2日に分けて、野外調査法実習I(1年生必修)を、恐竜・古生物学コースの千葉先生と伴に実施しました。学芸員課程の授業が重なったため、授業を履修している学生は倉敷自然史博物館、実習に参加できた学生は、県北の化石産地等へ出かけました。10月30日の実習では、自然史系博物館がどのように考えられて展示が作られているのか、展示内容そのものの説明などを行いました。また、11月2日の実習では、岡山県独自の石灰岩地帯見学とフズリナ採取、奈義町で新生代の軟体動物化石の採取を実施しました。せっかく生物地球学科に入学してくれた学生さんには、色々なことを学んでもらいたいとの思いから、野外調査法実習Iでは生地の先生方全員で、実習を展開しています。色々な学問体系を広く知るきっかけになればと思います。

【写真上】古生代のフズリナ採取をしています。学生さんにとって初めての有孔虫化石でした。
【写真中】石灰岩地帯にできた『備中鐘乳穴』へ、鍾乳洞を観察しに行きました。独特の地形が見える大きな鍾乳洞でした。
【写真下】なぎビカリアミュージアムで採取した化石を同定中。みんないい化石が採取できたでしょうか?


2019年11月4日 奈義町教育委員会と生物地球学部の協定

 10月30日、岡山理科大学にて奈義町教育委員会と岡山理科大学生物地球学部との間で、教育研究の連携に関する協定が結ばれました。すでに、本研究室を含め、奈義町のなぎビカリアミュージアムと過去数年に渡って共同研究や展示協力を実施していましたが、その関係をさらに発展させた協定を結んだことになります。この協定に基づいて、本学部の学生がインターンシップとしてなぎビカリアミュージアムにて職場体験を実施することができるようになりました。本学部では学芸員課程を履修する学生が沢山いますが、これに加え、様々な古生物学に興味のある学生や、社会教育活動に積極的な学生が活躍できる場としての活用が実現します。これらの詳細はこれから開示されていくことになりますが、新しいフィールドが一つできたことは、奈義町としても生物地球学部としても嬉しいことです。今後の本学部学生による活躍を期待しています。

岡山理科大学Webアドレス
https://www.ous.ac.jp/topics/detail.php?id=1714

奈義町Webアドレス
http://www.town.nagi.okayama.jp/gyousei/hotnews/okayamarikadaigakukyoutei.html


2019年9月30日 本年夏のモンゴル調査終了

 本年も8月19日から9月16日の日程で、モンゴル調査に行ってきました。今年は8月上旬のKenya類人猿化石発掘調査(代表;京都大学自然人類学教室中務真人教授)から直接モンゴル調査へ加わり、かつモンゴル国内の調査が2回に分かれるという、これまでにないハードなスケジュールでしたが、事故も病気もなく、無事に終えることができました。本年は哺乳類化石(古第三紀)と恐竜化石(後期白亜紀前期)の発掘調査、地質調査(後期白亜紀後期)とバラエティに富んだ理大らしい調査研究だったと思います。今年も写真で振り返ります。ただし今回は化石の写真はありません(諸事情により現在はお見せすることができないことをお詫びいたします)。

【写真上】移動中(いわゆるephemeral lakeとよばれる雨が降った時だけ湿る場所です。晴れててよかった)。
【写真中】化石をみつけた生物地球科学研究科2年生の小平さん(きまってますねw)
【写真下】化石を採取したら標本番号をつけて整理します。後日の研究に役立てるためです(生物地球学科の千葉先生と小平さん)。

【写真上】砂丘を通過中にハマりました(汗。通過直前に雨が降り、難しい行程になってしまいました。
【写真中】とある岩相境界に立つ男(基礎理学科の青木先生)。かっこいいです。
【写真下】調査に同行した生物地球学科4年生の車田さん(實吉研)。調査終わりで少しリラックスしていますw。


2019年5月4日 なぎビカリアミュージアムでのワークショップ

 岡山県北部にある奈義町のなぎビカリアミュージアムにて化石クリーニングのワークショップを行ってきました。当日は晴天に恵まれ、1時間×3回のワークショップに総計80名ほどが参加してくださいました。皆さん、自らで採取した化石標本を持ち寄り、岩石から取り出す作業に夢中になっておられました。毎年、春に実施しているイベントですが、今年は10連休のGW中ということもあり、多くの皆様にご参加いただき、感謝申し上げます。またミュージアム職員の皆様や奈義町教育委員会の職員の方々にも厚くお礼申し上げます。

【写真上】化石がクリーニングできているのかチェックしています。
【写真下】みんなで化石を観察しながら色々な話をしました。


2019年3月29日 モンゴル国ウランバートル市のIPGへ出張

 毎年この時期に、モンゴル国ウランバートル市にあるIPGにお邪魔しています。今回は、モンゴルで恐竜がたくさん産出する後期白亜紀の地層と分布について、IPG研究員と一緒に論文を執筆することになり、その打合せが主目的でした。昨年9月に調査した結果ですが、すでに研究室を卒業した高橋美帆さんがたたき台を作成してくれています。これに基づいて地層の記載や、産出する恐竜化石の比較などを行うことで、彼らの生息環境の解明に貢献したいと考えています。また、同時期に研究ブランディング事業で一緒の、動物学科の高橋先生と生物地球学科の千葉先生がIPGを来訪されていました。彼らはIPGに保管された標本の記載が主な仕事でした。また本年夏の調査や現在の進捗状況などをIPG側と議論し、夏の概略が固まりつつあります。さあて、4月から忙しくなりますね。。。

【写真上】動物学科の高橋先生がカメ化石を記載中です。
【写真下】生物地球学科の千葉先生が恐竜化石と格闘中です。



2019年3月12日 なぎビカリアミュージアム特別展への協力

 毎年、なぎビカリアミュージアムで実施されている春のビカリアまつりへ、本年も生物地球学科として林先生とともに展示協力しています。今年のタイトルは『なぎで学ぶ化石の不思議展』です。生物地球学科で学ぶ4年生の卒論や、修士学生の修士研究をベースに構成し、標本も貸出ます。またビカリアミュージアムの化石発掘体験では、様々な化石が見つかっており、本年は植物化石を対象に卒論も実施しました。この内容は、投稿論文へすべく準備を進めています。乞うご期待。奈義町へ足を運ばれる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。


2019年2月28日 卒業研究発表会と修士中間発表

 本年も2月10日に卒業研究発表会がありました。本研究室からは以下の研究課題を発表しました。
『岡山県に分布する中新統吉野層から産出した植物化石とその意義』
『本学恐竜学博物館の運営手法に関する研究と提言』
『モンゴル国ゴビ砂漠Bugin Tsavの上部白亜系Nemegt 層の岩相層序と古環境復元』
『モンゴル国ゴビ砂漠中央部に分布する上部白亜系の岩相層序と古環境復元』
『モンゴル国から産出する脊椎動物化石の組織学的解析及び生物化学的解析』
『恐竜化石に残された生痕化石から復元する古生態;モンゴル国ゴビ砂漠後期白亜紀の例』
『モンゴル国ゴビ砂漠の上部白亜系から産出する生痕化石の分類学的研究』

 また2月22日には修士研究中間発表会が開催され、研究室院生3名が発表しました。
『モンゴル国ゴビ砂漠東部に分布する上部白亜系の堆積環境と砕屑性ジルコンによるU-Pb年代測定』
『Protoceratopsの頭蓋骨における相対成長と形態的変異』
『モンゴル国ゴビ砂漠南西部上部白亜系Nemegt層産ワニ類化石の系統分類学的研究』

 皆さん、頑張りました。卒業研究の4年生は卒業までに卒論の提出を頑張りましょう。院生の皆さんはあと1年間の研究をしっかりすすめてください。しかし相変わらず、色々とやっている研究室ですね(汗・・。


2019年1月31日 福井県立恐竜博物館を訪問

 1月17日からの2日間、福井県立恐竜博物館を訪れました。卒業研究の一環で、本学恐竜学博物館でのクリーニング作業をより効率的に実施したり、活動的にするための方策を考える一環で、同博物館のプレパレーションルームにお邪魔しました。卒論を担当している学生も色々と考えることがあったようです。御対応いただきました、学芸員の園田先生には大変お世話になりました。ありがとうございました。

【写真】園田先生に説明を受ける研究室の4年生(佐藤さん、永井さん)


2019年1月15日 新年の御挨拶

 今更ですが、あけましておめでとうございます。すっかり更新しないまま、2019年になってしまいました。旧年中にお世話になりました皆様、ありがとうございました。そして今年もよろしくお願い致します。
 さて、今年も卒論・修論の季節になりました。なんだかのんびりしている感じで怖いのですが、きっとこの3週間は大変な期間になるでしょう。頑張ります。昨年までのモンゴル調査では多くの成果が出ています。昨年後半より、これを論文化する作業を進めており、ともに研究しているモンゴル科学アカデミー古生物学地質学研究所が発行する雑誌に地域地質論文2本を掲載予定です。さらに、学生が頑張ってくれた内容を投稿論文にすべく、誠意努力中です。今年はモンゴル研究に新しい波も来そうで、またまた忙しい1年になりそうです。さらに、博物館関連の書籍も執筆中で、これも最後の追い込みです。近い内に皆様へご提供できるものと思います。さらに、研究室学生が色々と学会発表に飛ばされる予定です。皆さん頑張ってください。今週後半は福井県立恐竜博物館に卒論でお邪魔する予定です。勝山は寒そう(汗)。