陸前高田市立博物館
東日本大震災で被災され た皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
このホームページは、こ
のたびの大震災により人的にも物質的にも深刻な被害を受けた、陸前高田市立博物館と海と貝のミュージアムの状況をお伝えするためのものです。
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文化
財の残らない復興は 本当の復興ではない |
と書かれた1枚の紙が博物館の作業室に置いてありました。市教委の名前で市民の方が
置いて行って下さったものです。
この1枚の手紙は、陸前高田市が陸前高田市である証となる本当の宝物を私たちに「ど
んなことがあっても残しなさい」と言っているように思えます。
土地の記憶、地域の物語。それがこの博物館にはたくさんたくさん詰まっているので
す・・・。
はじめに ―陸前高田市立博物館の文化財レスキューー
3月11日に発生した東北 地方太平洋沖地震とその後の大津波によって、陸前高田市立博物館、海と貝のミュージアムなど文化施設が人的、物的に壊滅的な被害を受けました。
被災した資料を少しでも早
く安全な場所へ移動させ、応急処置を行うことを目的に元博物館長、元非常勤学芸員、現嘱託職員など博物館関係者11名のチームで4月1日からレスキュー活
動を開始しました。
開始当初は3〜4名だけで
のレスキュー活動で11人全員が揃ったのは4月下旬でした。安全の確保されていない現場で、余震に備えながらの作業は困難を極めました。それでも、私たち
は「ふるさとの宝」である文化財を守ることを第一に考え「文化財の残らない復興は本当の復興ではない」という信念のもとでレスキュー活動を続けて来まし
た。その間、東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会による文化財レスキューをはじめ、岩手県立博物館、遠野市立博物館など県内をはじめ、国立科学博
物館、岡山理科大学など日本全国の博物館、大学、自衛隊からのご支援をいただきながらレスキュー活動を続けてまいりました。
レスキュー活動は、6月中
旬までに市内山間部に位置する閉校となった小学校にすべての資料の移動を行い、現場からの資料の移動という一次レスキューを完了することができました。そ
の後、各分野の資料の長期保存に向けた処理作業を行う段階に入ってまいりました。これは、一次レスキューの何倍、何十倍も時間と労力を必要とする作業で
す。どれだけの時間が必要なのか全く予想もつかない状況ですが、現場から救い出すことのできた資料を1点でも多く残すことができるように1点1点、確実に
処理を続けて行こうと考えております。
博物館の復興への道のりは
とても長いと思われますので、全国のみなさんのご支援をこれからもよろしくお願い致します。
主任学芸員 熊谷 賢
下の目次の中で青い部
分をクリックすると内容を見ることができます。
目次
ツチクジラ「つっちい」救
出大作戦!
閉校した小学校での資料の
応急処置
全国の博物館・大学・学会
などからの応援
奇跡のアカショウビン 復
活!
山階鳥類研究所での修復作
業
全国の博物館・大学等での
レスキュー作業
遠野市立博物館・遠野文化
研究センターによるシンポジウム・展示
国立劇場での「文化による
復興支援」シンポジウム
特別集会「被災地の博物館
に聞く」
東京代官山ヒルサイド
フォーラム「文化財を救おう! 東日本大震災と文化財レスキュー展」
移動展示「陸前高田市立博
物館の被災状況」
復活した出前博物館!