4. 被災した事実を伝える活動

このように大きな規模の近代的博物館の全館が津波によって深刻な被害を受けた事 は、日本に博物館が誕生してからはじめてです。

この状況を広く伝えることを通して、今後の博物館の減災に貢献する使命が陸前高田 市立博物館にはあるといえます。

そのため、被災後半年近くを経過してから、被災の事実を伝える活動を開始しまし た。

さまざまな御協力を得ながら、地域の財産と教育の資産を継承して行くには、博物館 は何をすべきなのか、我々の考えと行動を発信して来ました。

 

国立科学博物館「恐竜博2011」の第2会場 で行われた博物館による標本レスキューの展示

                                   (平成 23年7月2日~10月2日)

 



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陸前高田市立博物館・海と貝のミュージアムの被災資料を展示し、58万人を超える方 々に博物館資料のレスキューの現状などをご覧いただきました。事前のプレスリリースでは、会場で現状報告も行いました。

 

   

遠野市立博物 館・遠野文化研究センターによるシンポジウム・展示

「文化による復興支援シンポジウム」

 平成23年6月12日に遠野市で開催されたこのシンポジウムに学芸員の熊谷がパネラーとして参加 しました。社会教育団地にあった陸前高田市の市立博物館をはじめとして、海と貝のミュージアム、埋蔵文化財収蔵庫等の文化施設の被災状況や、被災文化財レ スキューにおける課題、今後の展望等について発言しました。

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国 立劇場での「文化による復興支援」シンポジウム

 

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 平成23年9月24日、東京の国立劇場において行われ、学芸員の熊谷がパネラー として参加しました。

 当日は、秋篠宮ご夫妻、眞子様をはじめ、近藤誠一文化庁長官のご臨席をいただき ました。陸前高田市の文化財をとても心配して頂き、声をかけて頂きました。

特別集会「被災地の博物館に聞く」

平成23年7月30日千葉県の国立歴史民俗博物館において特別集会「被災地の博物館 に聞く」が開催され、陸前高田市における博物館の被災状況について報告してきました。

この特別集会は、全国の博物館職員と関係者が集い、被災地の博物館職員から震災後の状況について話しあうこと で、情報を共有し、精神的支援を深めるとともに、今後の連携のあり方を探るために開催されました。

   

東京代官山ヒ ルサイドフォーラム

「文化財を救 おう! 東日本大震災と文化財レスキュー」展

平成23年10月1日から10日まで遠野市立 博物館によって陸前高田市の被災資料が展示されました。この展示によって文化財レスキューの現状を広く情報発信することができました。

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詳細については、国立歴史民俗博 物館http://www.rekihaku.ac.jp/others/assembly.htmlをご覧ください。

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