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Reportの体裁見本
 Reportの書き方をよく読む事。
 これは模範Reportではなく、体裁見本である事に留意。
 注意事項にある様に、どの節もきちんと文章を書く事。


日本人の身長と体重

調査日 20??年4月xx日
提出日 20??年4月??日

IxxG0xx  逸茂 優子

目的
 古来より洋の東西を問わず、人の身長や体重に男女差のある事が知られている (Yuumei, 16??;周知、19xx)。[自分で確かめた事でない場合、誰がいつ言 った事なのかを明らかにしておく。]今回は、日本の成人男性と成人女性の身長 ならびに体重を測定し、男女差がどの程度のものであるかを確認する。

方法
 調査は、20??年4月xx日に、中国地方○○県△部の中都市??市近郊、A地区 で行った。当日の午前10時から11時の間にA地区公民館において、予め無作為に 抽出しておいた地区在住の成人男性64名と女性63名の身長と体重を測定した。全 員、午前8時前に普段と同じ朝食を自宅でとって貰っている。年齢は男女とも18 歳以上50歳未満である。測定時には男女を問わず脱衣して下着のみになって貰い、 身長と体重を同時にはかれる**社製のHW−○○を用いて一人ずつ測定した。
 なお、この地区の住民には非モンゴロイド系は存在していない(昔調、199x)。
[方法は詳しく書く (誰かが同じ事をしようとした時に出来ないといけない)。 いつ、どこで、どの様にして行ったかが分かる様にする。]

結果
 男女別の平均身長(±標準偏差)と平均体重(±標準偏差)を表1に示す。 年齢別の人数は同じではないが、数年刻みで見るとほぼ均等に分布していたので、 ここでは年齢区分をせずに纏めてある。男性、女性の身長はそれぞれ168.5±6.0cm (n=64)、158.2±4.5cm(n=63)であり、体重はそれぞれ66.2±9.4Kg、53.4±6.1Kg であった。[通常、表もしくは図で結果を示している場合には、本文中で同じ内容 を詳しく繰り返して述べる必要はないが、ここでは書き方の例として挙げておく] 男性は女性より10cm余り高く (P<0.001, t-検定)、13Kgほど重かった (P<0.001, t-検定)。[この一文を書くには、予め検定をしておく必要がある。有意差があ れば「AはBより高かった」と書けるし、無ければ「AとBは同じ」もしくは「AとBに 有意な差は無かった」と書く。当然、有意差の程度と検定の種類を書いておく。]
 結果を図表に纏めたとしても、それをそのまま載せるだけではいけない。 記述文が要る。

表1 ○○県A地区成人の身長(平均±標準偏差)と
体重(平均±標準偏差)。 (20??年4月xx日測定)
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            男性 (64名)  女性 (63名)
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身長(cm)   168.5±6.0     158.2±4.5
体重(Kg)    66.2±9.4      53.4±6.1
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注)身長、体重とも男女間には0.1%水準で有意な差がある(t-検定)。
[表の題目と説明は上に付け、注は下側に字を小さくして付ける。図表には番号 を振る事。図表は読みやすい位置に載せれば良いが、本文中での記述の後にくる 様にする。]

 次に、年代間で体格に差が有るかどうかを見るため、男女とも30歳を境にして、 それ以下の若年層と31歳以上の壮年層の二群に分けた。年齢を細かく分けると各群 の人数が非常に少なくなるので、大まかに二分した。表2に各群の平均身長(±標 準偏差)と平均体重(±標準偏差)を示す。

表2 ○○県A地区成人の身長(平均±標準偏差)と体重(平均±標準偏差)。
30歳以下の若年層と31歳以上の壮年層のニ群に分けて示したもの。
(20??年4月xx日測定)
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                 男性                      女性
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年齢層    18〜30歳    31〜49歳      18〜30歳    31〜49歳
           (27名)    (37名)     (26名)    (37名)
-----------------------------------------------------------------
身長(cm)  170.1±6.1  167.3±5.7    158.6±4.3  157.8±4.6
体重(Kg)*  66.3±9.7   66.1±9.3     51.2±4.8  54.9±6.4
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 * , 女性の体重に付いてのみ、年齢層間で有意な差が見られた(P<0.05, t-検定)。
 男女とも身長に付いては、若年層と壮年層の間に違いは見られなかった(ns、 t-検定)。[nsはnot significant の略。有意な差が無い事を表す。]若い男 の方が、壮年の男より少し背が高そうだが、有意差は無い。男の体重に付いても 世代間の差は無かったが(ns、t-検定)、若い女性の体重は明らかに壮年女性に 比べて軽かった(P<0.05, t-検定)。

 身長と体重の関係を見ると(図1)、男女とも背の高い人ほど重いのは明らか だが(男、r = 0.541 P<0.01 (n=64);女、r= 0.447 P<0.01 (n=63))、 相関はそれ程強くない。同じ身長の人でも随分体重に幅がある事になるが、この 傾向は男の方が強く見える。例えば、170cmの男性の体重は50Kgから90Kg近くに 迄ほぼ平均してばらついている。

[図の題目と説明は下。縦軸、横軸それぞれに項目名を付けるのを忘れぬ事。 図に用いる記号の大きさと形に留意。灰色を避け、白黒の判然した図にする。]

 女の方は、 ------------------------- ------------------------- ------------------------- ------------------------- ------------------------- -------------------------。
[と、この様にして記述していく。述べる内容が変わる度に段落替えをする。 結果の纏め方次第で、どの様な考察が出来るかが決まる。逆に言えば、何を考え ているかで結果の纏め方、表示の仕方が変わる。]

考察
 現代日本人の身長と体重における男女差は明らかであり、男性の方が女性より 背が高くて重かった(表1、2;図1)。今回と殆ど同様の結果が50年ほど前の 調査でも得られており(昔調、1950)、半世紀を経ても男女の身長差や体重差の 程度には殆ど変わりは無かった。しかし、男女とも昔に比べ身長は伸び(男は平 均7.4cm、女は平均5.2cm)、体重は若干重くなっている。男性に付いては、身長 の伸びに比べて体重の増加がそれ程大きくなく、昔の男性より痩せぎすになって いる様に見える(表1、2;昔調、1950)。日本人男性が痩せ気味になった事に 付いては、戦後日本人の生活様式が大きく変化した事が------------------ -------------------------------------------------- -------------------------------------------------- --------------------------------------------。
 男女差の程度は諸外国での調査結果とほぼ同じであり(Survey, 198?)、人種 間の差は無いと判断出来る。これは、男女の体格差が文化的、社会的な違いで変 動する様な可塑性の高いものではなく、生物学的な強い背景を持つことの証左で ある。この事に関する論考は多く------------------------------------ -------------------------------------------------- -------------------------------------------------- ------------------------------------------------------。
[考察がもっとも重要な節である。結果と考察を混同しない様に注意。結果とは 誰が見ても分かる事実であり、考察はその結果に対する解釈である。本や様々な 資料を参考にして論を展開する。ただし、他人の論議丸写しでは駄目で、自身の 見解を述べる。]
 ところで、今回の調査では50年前の昔調(1950)の調査で見られなかった傾向 が明らかになった。若年層の女性は壮年層の女性に比べて有意に軽かったのであ る(表2)。逆に言えば、壮年層の女性の方が重かった事になる。若年層女性が 軽いとみなすか、壮年層女性が重いとみなすかで、解釈が全く違うものになる。
 まず、前者の立場で考えよう。若い女性は外見に気を遣う事が多く、自らの体 型への関心も、高年齢の女性に比べて高いと考えられる。最近の若い女性には過 食症や拒食症が頻発し、不健康な迄に痩せたがる傾向に様々なメディアが警鐘を 鳴らしている。痩せたがる心情を煽る社会にあって、若い女性は本来必要な食事 量を減らし、常に痩せ様と努めているのではないだろうか。
 一方、後者の立場で考えれば次の様になろう。30歳を超える女性の殆どは既婚 者だと考えられる。A地区の既婚女性は殆ど専業もしくは半専業主婦なので(地本、 199x)、若い女性ほど外見に気を遣わないだろう。従って、太ることを恐れて食 べる量を減らす事などは無く、寧ろ逆に安心して間食をしたり、子供の食べ残し を口にしたりするのではないか。その結果、太り気味になっているのではなかろ うか。
 どちらの解釈が的を射ているかは、さらに多くの地点での調査を待たねばなら ないが、昔調(1950)の結果と比較する限り、前者の解釈の方がふさわしい様に 思われる。
[どの程度の考察が出来るかは、結果から何を読み取れているかによる。普段か ら様々な面に関心を持つ事が重要。今迄に蓄積された知識、ならびに情報探索能 力がものを言う。]
 一地域における男女の体格差を------------------------------------- ------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------- ----------------------------。
 哺乳類には雌雄間で体格差が見られる例は多く、且つその程度は様々である (Honyuu, 19xx)。雌雄の体格差は、雌雄間に形態的、色彩的な差異がある場合 と同様に、その生物の生態、生活様式を反映している(多様、19xx;生態、19??)。 人における男女の体格差も生物学的な背景を背負っており、この点に着目した進 化生態学的な論考は数多い(Evol, 19??;進動、199?)。---------------- -------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------- -----------。
[論の展開の仕方によっては、相当広がった議論が出来る。]

参考文献
Evol, S. (19??) Nandaka nee ……
Honyuu, R. (19xx)Tori nimo aru …
生態 荒(19??) ………… …………
昔調 太(1950) ………… …………
昔調 太(199x) ………… …………
進動 進(199?) ………… …………
Survey, I. (198?)Otoko to onnna no …………
周知 徹(19xx) ………… ………… …………
………… …………
………… …………
………… …………

[最後に、参考にした資料や文献を全て、発表年を表示して挙げる。並べ方は著者 名(姓)のアルファベット順を原則とする(理由は?)。本文中に出てきた順に置 く場合もある。同一人物の資料が複数ある場合は、Onaji, A. (198?)、Onaji, A. (199?)の様に、発表年の早いものから並べる。]



/ Data / ←生dataは Reportに載せない (個々のdataに意味がある場合は別)。

 良いReportが初めから出来る筈はないが、少なくとも体裁に注意すれば読み易い (=読んで貰える)Reportにはなる。

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