講義概要と針路(主
として、岡山理科大学学生と院生に向けて。針路は進路の誤植ではありません。)
岡山理科大学では、考古学を人類学の一分野として扱ってい
ます。理系学部で考
古学の講義を開講している大学は、日本では少ないのですが、考古学の発達した欧米では考古学を歴史学として
ばかりではなく、人類学としてとらえる考え方がありますし、考古学を自然科学で解明する考古科学が発達しています。岡
山理科大学では、理系の総合情報学部生物地球システム学科の学生に向けて考古学を発信しています。
各講義では、考古学の資料操作方法を学び、物質資料から人類行動を復元し考察する手法を徹底的に学びます。近年の考古科学の手法を積極的に紹介し、常に先
端的な考古学の学習が図れるように工夫をしています。学生諸君は理系の分析手法を操作しうるスキルとセンスを磨きながら、人類史を科学的に調査し、未来を
理解する実
力を養っていきます。このような調査力・推理力は、単に人類学・考古学にのみ必要なものではなく、社会に出ていろいろな局面で利用可能なものです。学生諸
君が、専門家になろうとなるまいと、どんな将来を選択しようとも、「人間とは何か?」という問いかけについて考えながら生きて行くに違いありません。その
意味で、卒業生はどんな将来においてもある種の「人類学者」となるわけです。そのきっかけがこのゼミであり、その内容が高度たらんことを期待して、講義や
実習を組み立てて行きたいと考えております。
また、考古学は日本歴史だけにこだわって勉強していても、幅広い人類史を理解することは困難です。このため、積極的に海外の
考古学の話題も盛り込む工夫をしています。さらに講義での理解を助けるために、野外での発掘調査や、屋内での資料整理や科学分析、さらに学外の著名な研究
者による講演会の開催等をおこなっています(詳細はこちら)。
今まで人類学系のコースを卒業した学生・大学院生(理学部・総合理学研究科卒業生を含む)の進路には、博物館学芸員や解説員(インタープリター・エデュ
ケーター)、教員、研究所研究員、考古資料の科学分析会社社員等があげられます。
学部の講義は、座学である考古学
概論・
先史考古学・技術考古学と、屋外での調査経験も含む実習である人類学実習3・4が展開されま
す。このうち考古学概論は、学芸員資格取得に利用できる科目として認定されています。大学院では、環境考古学特論を開講します。
卒論指導を実施するゼミでは、先史考古学や環境考古学の講義を展開しています。従来主に富岡が指導した学生諸君の研究題目は、動物考古学がメインですが
(詳細はこちら)、この他にも先史土器や石器の考古学研究を行った学生や文化
人類学的研究を行った学生の指導経験もあります。生物地球システム学科の学生でゼミを決定することに悩んでいる学生の皆さんは、気楽に研究室をのぞいてみ
てください。
このホームページでは、これらの科目のうち富岡が担当する先史考古学・技術考古学・環境考古学・人類学実習について紹介し
ております。

環境考古学研究室: 岡山理科大学総合情報学部 生物地球システム学科 富岡研究室
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