人類と生業の考古学年表
（ヒトの最も基礎的な活動である生業と道具を使用する文化を代表する利器・手段について年表形式でまとめた表です。講義において配ったプリントを横に広げ
コンピュータ用にしたものです。教科書と時代区分が異なる箇所があるので注意！ このページは横に長く展開して閲覧してください。各時代に様々な・ある場
合は共通した論争や生業の手段や利器があることを学んでください。『先史考古学』の単元の場合、対象となる時代は、前期旧石器時代より古墳時代までで
す。）
時代
生業
利器・手段
備考（論争等特記事項）
前期旧石器時代
（440万年前?〜）
文化始源論争（チンパンジー等の研究が間接的に影響）
アウストラロピテクス属 死肉収集（植物）採集 骨・木・石器？
ＭＴ-DNAの分子時計仮説と化石人骨の研究が接近
ホモ・ハビリス(240万?〜) 死肉収集･狩猟採集
石核・礫石器 火や投槍（or
シャベル）の使用論争
H･ルドルフェンシス (250万?〜)
H.エレクトゥス
(140万年?〜)
上高森遺跡（宮城）等が所属とされたが遺跡捏造発覚
中期旧石器時代
（20万年前〜）
火の使用・大規模な計画的狩猟や行動について論争
H.エレクトゥス
死肉収集・狩猟採集
石核・礫石器
H.ハイデルベルゲンシス(50万年?〜)
（8万年前〜）
H.s.ネアンデーレンシス 死肉収集・狩猟採集
剥片・石核・礫石器 明確な遺構（墓壙）の製作
(13万年〜)
狩猟方法・計画性に論争
H.s.サピエンス
剥片・石核・礫石器
多様な狩猟方法の選択？
(プロトクロマニオン:10万〜)
後期旧石器時代
（3.5万年前〜）
農耕牧畜始源論争
H.s.サピエンス
狩猟採集漁撈（死肉収集）
剥片・石核・礫石器 集団による計画的狩猟・交易(?)
西アジア等で農耕? 剥
片・石核・礫石器・ イヌの利用開始
論争
骨角器・打
製骨角器 局部磨製石斧論争
磨製骨角器?・カットマーク?
中石器時代（晩期旧石器・続旧石器）
農耕牧畜始源論争（日本では低調）
（1.5万年〜） 狩猟採集漁撈
剥片・石核・礫石器 集団による計画的狩猟・交易
H.s.サピエンス （死肉収集） 多様な骨角器（日本では未確認）
中国一部ではイネの利用 時代区分論争（日本では縄文草創期）
新石器時代
（1万年〜） 農耕狩猟採集漁撈
剥片・石核・礫石器
集団による計画的狩猟・交易
H.s.サピエンス （死肉収集）
骨角器
大陸新石器社会の周辺領域の文化を新石器と
交易
考えるか否かで論争（日本の縄文文化も同様）、
新石器文化の定義となる要件に関する論争
大規模な集落とその社会性に関する論争
時代区分論争（金属器使用の問題・地域差異の評価）
階層性？・階級性？
----以下日本列島のケース-------------
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縄文時代
（1万年〜）
農耕?狩猟採集漁撈 剥片・石核・礫石器 集団による計画的狩猟・交易
H.s.サピエンス 家畜? 骨角器
農耕・家畜（生物学的・文化的）について論争
（鯨類等の死肉収集？）
大規模な集落とその社会性に関する論争（ex三内丸山）
交易
農耕論争（ex岡山朝寝鼻貝塚、中部高地）
階層性？（退役狩猟者説）
イヌは家畜というよりコンパニオン？（ヒトとイヌの多様な関係の始源論）
イノシシ類のキーピング？・多系統の存在？
弥生時代・続縄文時代
（2000年前〜） 農耕狩猟採集漁撈 剥片・石核・礫石器
集団による計画的・組織的狩猟・交易
H.s.サピエンス （鯨類等に明確な死肉収集）骨角器・金属器
開始時期・周辺領域などで論争
交易
中期以降水田稲作農耕の本格化
農耕論争(生産性・収量・農具等)
余剰生産物の蓄積？
階級制・クニの誕生
「弥生ブタ」論争（形質的・遺伝子的・文化的問題）
ブタ・ウマ・ウシ牧畜文化？（水田農耕文化的動物利用？）
イヌ食用文化の波及
古墳時代・続縄文時代
（1700年前〜1300年前）農耕狩猟採集漁撈牧畜 計画的狩猟・交易
H.s.サピエンス 交易 骨角器・金属器 開始時期・周辺領域などで論争
（鯨類等の死肉収集？）
製造加工業の多角化。（支える生産部門は不明点多数）
生業からking's huntingの分離・定着？ 大陸の牧畜技術の体系的導入（ウマ・ウシ）
余剰生産物の蓄積・コントロール
階級制・王権の巨大化（東西の異質さの顕在化）
専業集団の明確化？
渡来農耕・牧畜技術の波及（北限は？）
ウマ・ウシ祭祀（殺傷の場合あり）の波及
古代以降
（1300年前〜） 農耕狩猟採集漁労牧畜 生業技術伝播論（大陸・半島との比較も含め）
H.s.サピエンス
交易・租税制度に伴う長距離運搬 保存加工処理運搬技術・調理文化史論
余剰生産物の蓄積・コントロール ウマ・ウシ祭祀（殺傷の場合あり）
の波及
部民制度に伴う専業集団のコントロール 皮革加工技術論
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