破 損分類基準(アンダーラインが付された部分が分類名)

規則性の高い創傷:ヒトによる加工の可能性

 Aタイプ 切断(対象を完全に切断している切創: cut mark)

a 溝面が平滑あるいはゆる
 やかなカーブ
 (含:刃こぼれの傷)
 切創・切削痕跡:
 cut or scrape mark

b 溝片面が破断
 打撃叩切痕跡: 
 chop or huck mark

c 断面に多数の平行
 線状痕跡
鋸引痕跡: saw mark
 

  Bタイプ 切創(5mm以上の深さ)

  Cタイプ 切創(1〜5mmの深さ)

 Dタイプ 切創(1mm未満の深さ)
 






 

1 線状に伸びた痕跡

2 刺突状に止まった痕跡

3 水平様に刃器を滑らせた
  痕跡





 

規則性の低い創傷:動物による損壊の可能性

 局部的かつ集中的にクレーター状や断面半円の孔・溝を生じる  → イヌ等食肉目の噛痕  →  Yタイプ
                 (津島遺跡の場合は大きさからイヌと考えられる)
  二条の溝が一対になり、局部的に損壊される → ゲッ歯目の噛痕 →  Zタイプ
                 (日本の多くの遺跡の場合は大きさからネズミ類と考えられる)