担当者各位殿

ア ユモドキ遺体　解剖前　報告書

2005年2月15日

岡山理科大学総合情報学部　生物地球システム学科　助教授

富岡　直人

　

　岡山理科大学専門学校で2005年2月に死亡した国指定天然記念物アユモドキについて、以下の通り遺体の基礎データと所見を報告する。

　

　第1表　遺体学名　Tab. 1　Scientific name of remains

　　硬骨魚綱　　　　　Osteichthyes

　　 コイ目　　　　　　Cypriniformes

　　　ドジョウ科　　　　Cobitidae

　　　 アユモドキ亜科　　Botiinae

　　　　アユモドキ　　　 Leptobotia curta (Temminck and Schlegel)

　

　第2表　遺体状況　　　Tab.2　Objective data of remains

　　　length and height, measured with vernier micrometer

　　死亡期日　　date of death　　　　　 2005年2月, February 2005

　　遺体観察日　date of first observation　2005年　2月15日, 15th February 2005

　　全長　　　　Total length　　　　　　93.90mm

　　標準体長　　Standard length　　　　 76.60mm

　　標準体高（背鰭前部）

　　　　　　　　Standard height, front point of dorsal fin

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 13.12mm

　　背鰭条数　　number of dorsal fin　　13

　　臀鰭条数　　number of anal fin　　　7

　　湿重量　　　wet weight　　　　　　3.17g

　

　観察所見

　死亡原因は不明である。おそらくは岡山理大専門学校にもたらされる以前、何者かに捕獲された際のショックが遠因であったことが予想される。遺 体吻部には死後に発生したと推測される水カビの付着が見られた。腹部はやや膨満していたが、解剖を実施していない現状では原因は不明である。

　体長はやや小ぶりであった。体長と体部に展開する横斑の様相から昨春に生まれた当歳の個体と推測される。遺体については解剖を実施し、軟部組 織と骨格を富岡研究室で保管し、研究教育に活用する。　　

　

　

第1図　

遺体左側

全身像　

Fig. 1

Full length figure of left side

　

　

　

　

　

　

第2図　

遺体右側

全身像　

Fig. 2

Full length figure of right side

　

　

　

　

第3図

Fig. 3

頭部接写像

Closer view of　head