野外での気象観測(研究最前線)







     
上空の気象を観測するために,ヘリウムを充填したゴム気球を使います.
愛媛県大洲市の沿岸地域で発生する「肱川あらし」という強風現象の実態を調べる目的で,気球観測を実施しました.
パイロット・バルーンをセオドライト(経緯儀)によって追跡することで,上空の気流の様子(風向・風速)を調べます.
気温・相対湿度・気圧は,少し大きめの係留気球を上昇させることで測定します.
    強風のなかでのこのような観測は,かなり難しいです...







     
多くの人が行き交う都市緑道の快適性を,温熱指標を計測することで明らかにしようと試みました.
気温,相対湿度,黒球温度,風速などの気象要素を同時に計測することで温熱指標を計算することができます.
今回は岡山市街地内にある西川緑道と臨港グリーンアベニューを対象に,WBGTとSET*の2種類の温熱指標を計測しました.



     
緑道を形成する植生や遊歩道の表面温度も熱赤外画像撮影機器を使って測定しました.
植生の表面温度は周囲よりもかなり低く,それによってできる路面の日陰もはっきりと低温である様子がわかります.






     
岡山大学と共同で,岡山市街地の熱赤外画像を撮影する目的でヘリコプター観測を実施しました.
岡山市街地で発生するヒートアイランド現象と建物などで構成される地表面の温度分布の関連性を調べることが目的で,
同時に地上気温も多地点で計測しています.
岡山市の詳細な表面温度分布の計測は研究例がなく初の試みで,今後の画像解析が楽しみです.







     
広島県三次盆地で大規模に発生する霧の目視観測.まさに,霧の海ってやつです!...      
   山から眺める日の出のときの霧の海は最高でした. この霧,お昼近くまで消えません.      
   こんな広範囲にわたる大規模な霧がどうして頻繁に発生するのでしょうか?
   地上では気温・湿度の連続測定をおこなっており,水蒸気の面的な動きを捉えようと試みました.



     
上空の気象観測には、ドローンを利用することも有効です。      
   様々な注意を払う必要がありますが、気温や湿度の鉛直分布を把握できる優れものです。







     
ちゃりんこをつかった移動気象観測.岡山のビル街と住宅街のそれぞれでおこないました.      
   見てのとおり,かっなり怪しいです... 住民の人に何度となく声をかけられました.      
   移動中に自作測器が壊れるなど,トラブルの多かった観測です.
   左はその自作測器の検定作業風景. これも1日がかりで大変な作業です.







     
引き続き,夜の街中での自転車観測です.かなり疲れてますね...






     
自動車をつかった移動気象観測.岡山の市街地と郊外にわたる広域の測定をおこないました.      
   先のちゃりんこと同様,やっぱりかっなり怪しいです...







     
気球を空に飛ばして,それを追跡することで上空の風の流れを調べようとする観測です.      
       ちなみに右は,大阪のエキスポランド内の敷地でおこなったときの写真です.      
       このときは観覧車にも温度計を取り付けて,気温の高度分布を測定しました.      
(エキスポランド様,ありがとうございました)








東京都心でおこなった観測.      
      左は,自転車で移動しながら街のあちこちで気温や日射量などを測っている様子です.      
      周りの人からかなりじろじろと見られていました...      
      右は,ビルの非常階段を利用して気温の高度分布を測っている様子です.      
      測定自体は測器を固定しておくだけなのですが,とりつけとりはずしが怖いです(^^;




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