○寄生蜂とは何か ・寄生蜂の分類 ○アオムシコマユバチ ・性フェロモン ・コマユバチの繭 ●戻る ○先頭頁 |
母蜂は犠牲者となる寄主をどう選んでいるのか、産卵数はどれくらいなのか、オスとメスの割合をどの様に決めているのか、また寄主は寄生蜂に如何に対処するのか等、寄生蜂と寄主の間には様々な問題が存在する。 上の写真は、寄主であるモンシロチョウの若齢幼虫に産卵するアオムシコマユバチの様子と、アオムシから脱出するコマユバチの幼虫。脱出した幼虫はその場で直ちに繭を紡いで中におさまり、数十の小さな黄色い繭からなる塊がキャベツ葉に付着する。
食草−虫 アオムシ(モンシロチョウ)はアブラナ科植物を食べて育つ。キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、ダイコンなどの蔬菜・根菜類や、イヌガラシ、タネツケバナなどが食草である。ただ、イヌガラシなどは一株がアオムシ一匹を育てられるかどうかの小ささであり、現在の日本ではモンシロチョウの主な食草はキャベツである。これらの虫はアブラナ科植物なら何でも食べる。アオムシはキャベツが好きで、ダイコン畑とキャベツ畑があれば、ダイコンの方にはあまり付かない。どの虫にも寄生蜂は付くが、ヨトウムシの寄生蜂はあまり多くないようだ。コナガとアオムシには、それぞれ別種のコマユバチ、その他が寄生する。寄生蜂はどこにでもいるが、寄主のアオムシを徹底的に駆除してしまうと中に居る蜂も駆除されてしまうので数が少なくなる。寄生蜂以外の天敵、アシナガバチなどはアオムシを狩って肉団子にする。
植物−食害昆虫−寄生蜂 植物が食害されると特有の匂い物質ができることはよく知られている。この時、この匂い物質がただ単に出来てしまうだけなのか、それとも植物が積極的に作っているのかで意味合いは大きく異なる。最近では、後者の例が多いと考えられている。植物が、自らを食害する昆虫に対抗するため、特有の匂い物質を生産して食害昆虫の天敵を呼び寄せている(敵の敵は味方)という解釈である。 |