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パソコンに付いて

 パソコンを使っている人は多いが、初歩的知識すら持っていない人が存外に多く、上手く使える人は案外少ない。 パソコンについての概略と操作上の一寸した事を知っているだけで随分作業の効率が良くなり、無駄に労力を費やす事が無くなる。 そこで、ごく初歩的な事を幾つか述べておく。

使い方(初歩)     概説 

−使い方− (初歩)
 全般
  • デスクトップには成るべくfileを置かない
     デスクトップに沢山のfileがあると起動に時間が掛かるし後の作業も重くなるので、出来るだけfileを置かない様にする。その方が、万が一のerrorに対しても安心である。

  • ディスクには余裕を持たせる
     パソコンは処理作業にハードディスクの空領域を利用している。空領域が小さいと処理作業が苦しくなるので、常に余裕を見ておくこと。空領域の大きさはドライブのプロパティで確認出来る。ディスク容量にもよるが、半分か少なくとも1/3以上を空けて置くのが望ましい。

  • Fileの完全削除
     不要なfileを削除する時は後で復活できる「ごみ箱」に捨てるのが普通だが、一時的なfileなどを完全に削除したい時には、Shift-Keyを押したままで捨てる。

  • ごみ箱を時々整理する
     ごみ箱に捨てられたfileはディスクから消える訳ではないので、本当に不要なもの(何ヶ月も前に捨てており、不要と確認できるfileなど)を削除しておかないとディスク領域が無駄になる。時々整理すること。ごみ箱の大きさは予めディスクの大きさの一割程度に設定されているが、これはプロパティから変更可能。

  • 偶にはディスクを最適化する
     Fileの書込みや消去を繰返していると、fileが断片化してディスクのあちこちに切れ切れに納められる様になり、処理速度が低下するので、ディスクの最適化(=デフラグ)を行ってこれを解消する。デフラグ(=断片解消、defragmentation)は、ディスクのプロパティ、ツールから行う。


  •  Internet
  • Internetの頁を保存
     Internetのある頁を資料として保存したい時は、ファイル・メニューから「名前を付けて保存」を選ぶ。こうすると、その頁がそのままの姿で保存されるが、HTMLファイルなのでそのままの形では利用出来ない。

  • 文章をテキストとして保存
     文章を単にテキストとして取り込む場合は、欲しい部分をマウスで範囲指定して右clickし、その部分をcopyする。その後、Wordなり他のEditorなりに移り、必要な個所に貼り付ける。この方が、整形も自由でずっと融通が利く。

  • 図を保存
     写真や図が欲しい時は、その上で右clickして「画像に名前を付けて保存」する。「画像をコピー」すれば、その図をWordなどのワープロに貼り付ける事が出来る。

  • ソフトウェアを貰う
     Internet上には、自由に使って構わないソフトウエアが沢山ある。学習用の物も多いので、これらを利用しよう (ただし、自己責任で。学校のパソコンに組み込んではならない)。例えば、C言語は「Borland_C」を使用しており、これは free soft。 自分のパソコンがある人は、これを取り込んで置こう。時間外届を出して、夜遅くまで実習室で過ごす必要はない。

  • どこからソフトが手に入るか
    Windows用のfree softを大量に紹介している場所としては、窓の杜 http://www.forest.impress.co.jp/ や Vector http://www.vector.co.jp/ がある。 こういうソフトの多くは圧縮されているので解凍しなければならないが、freeの解凍ソフト(Lhaca+など)があるので、それを貰って置こう。

  •  Word, Excel
  • 初期設定の変更
     Word を初期設定のままで使用すると、オートコレクト機能が有効になっているので非常に使い辛い。「ツール」−「オートコレクト」を選んで不要な項目のcheckを外して置く。また、同じく「ツール」−「オプション」の「文章校正」や「日本語入力」の項目も手直しして置くとよい。

  • ツールバーのメニュー変更
     Tool_bar の icon メニューだけでは不十分だったり、逆に不要な物があったりする。このメニュー部分は、「ツール」−「ユーザー設定」で変更可能。

  • Excelの表をWordに取り込む
     Excelの表をWordに取り込む場合、ExcelでcopyしてWordに移り、そこでそのまま貼り付けるとExcelの表として貼り付く。
    ここでもテキストとして貼り付けた方が楽な事が多い。それには、編集メニューから「形式を選択して貼り付け」を選んだ後、テキストを選ぶ。

  • Excelの図をWordに取り込む
     Excelの図をWordに貼り付ける場合も同じ事。「形式を選択して貼り付け」を選べば、Excelの図としてではなく単なる図として貼り付ける事が出来るし、大きさも自由に変えられる。単なる図として貼り付けた場合、外見はExcelで見えている通りである。
     図の上で右clickして「図の書式設定」を選ぶと、menuの中に「文字の折り返し」がある。これを使えば、Word内の文字を図表の周りに配置出来る。

  • Enter_Keyは段落換え
     単なる行替えの際にはEnter_Keyを押さない様にする。そのまま文字を入力していっても勝手に回り込んで次行に移るから、そのまま入力して行く。行末にEnter_Keyが入っていると、頁幅変更や一寸した訂正などの際に厄介である。Enter_Key入力=段落替え、と心掛ける。

  • 頁替え
     「別項目に移るから」、「表が途中で切れるのを避けたい」等の理由で新しい頁から始めたい時には、改頁記号を入れる。Enter_Keyを幾つも入れて、次頁の頭出しをする様な事は避ける。改頁は ctrl + Enter_Keyで出来るが、これを忘れた時の為に改頁記号(挿入メニューにある)を、ツールバーに入れて置くとよい(ツールバーのメニュー変更)。

  • 行間変更
     Wordで、ある特定行のみの行間を変えたい時(表中で、罫線と文字行の間が狭い時など)は、メニューの「書式」−「段落」の中に設定項目があるので、ここを変更。

  • 文字種変更
     Excelで、ある文字を整形する時は(例えば、上付き文字や下付き文字に)、マウスを右clickし「セルの書式設定−フォント」を選ぶ。Wordの場合は、右clickでメニューに直接「フォント」が現れるのでそれを選ぶ。



  • −概説− (パソコンのごく簡単な説明)

  • パソコン(=小型computer)
     数十年前に、膨大な量の科学計算や企業の複雑な業務処理等で使われていた電子計算機(=computer)は、大型で途方も無く高額であり、扱いにも特殊な技能を要するものであった。その計算機の性能が1980年代以降劇的に向上し、それに伴い非常に小型化した。そして、個人が扱える程度の大きさと値段になった。現在、多くの学校、職場、家庭にあるのはそういう小型計算機である。個人が手軽に扱える故にパーソナル・コンピューター(personal computer=個人用計算機)と呼ばれるが、性能は数十年前のsuper computerを凌駕する。パソコンという言葉はこのパーソナル・コンピューターの簡略形である。書く時には更に単純化してPCとする事も多い。

  • OS
     パソコンは単なる計算機械であるから、これを目的に沿って働かせる為には専用のprogramが要る。電源投入後、初めに起動するのがOS(operating system=操作体系)と呼ばれる基本programである。このOSが画面制御を行い、文字入力盤(=keyboard)その他の外部装置との遣り取りを可能にする。初期のOSには、CP/M (Control Program for Microcomputer) やらMS-DOS (Microsoft Disk Operating System) やら様々なものがあったが、現在主流となっているのはMS-DOS由来のWindowsである。Windows(=窓)という名はprogramの実行画面がパソコンの操作画面上に窓の様に開く様子から名付けられた。

  • Windows, GUI
     Windowsは元々MS-DOS上で動くsoftwareであったが、現在はそれ自体がOSになっている。Windowsが以前のMS-DOSと異なる大きな点は、操作画面にfileやfolderを表す小さな絵(icon)が置かれ、このiconをマウスでclickする事によってprogramを動かす様になった事である。Program稼動中もマウス操作が大きな比重を占める様になった。従来keyboardからの文字入力で行っていた種々の作業を、画面上の絵(や文字)を見ながら簡単なマウス操作で行う様になったのである。こういう遣り方を GUI (graphical user interface)という。GUIの採用によってパソコンが広く普及する事になる。

  • 初期画面(=desktop)
     パソコンの電源を入れると画面上に様々な文字が現れたり消えたりした後、暫くして画面が安定し使える状態になる。そして、画面を見ながら様々な操作を行う訳だが、この最初の操作画面をdesktopと称している。Desktop画面には幾つかのiconがあるが、マイ コンピュータを開いて見ると中に少なくとも一つのハードディスクドライブがあり、その名前にC:がついている。


  • 処理作業の場(RAM)
     初期のパソコンはOSをROM(read only memory=読込専用記憶装置)の形で組み込んだものが主流で、電源を投入したらOSが自動的に起動する様になっていた。様々な実用programはそのOSの下で動く。ProgramはRAM (random access memory=読み書き両用記憶装置)と呼ばれるmemory上で処理作業を行うが、RAMの内容は作業が終わって電源を切ると全て無くなってしまうので、結果を記録したり記録結果を読み込んだりする装置が必要である。そもそも、そういう物がないとprogramその物も毎回書かなければならない。

  • 外部記憶装置(floppy disk drive)
     パソコンの記録媒体は初め磁気テープであったが、これが直ぐに磁気円盤に替わった。この磁気円盤は薄いプラスチックの板でfloppy disk (FD)と呼ばれる。Programやdataをこのfloppy diskから読み込んだりこれに書き込んだりする機械がfloppy disk drive (FDD)であり、この様な機械を外部記憶装置という。外部記憶装置を使うと、異なる様々なprogramをここから読み込んで作業することが出来るので非常に便利である。そして、ROMとして組み込まれていたOSがfloppy diskの形で提供されるのが普通になる。これがsystem diskである。ROMの形では、softwareであるOSを改良したり変更したりという事が出来ないから当然の事である。さて、システム其の物を起動させ、dataの読み書きを行うdisk driveは非常に大事なものなので、システムを読む一台とdataを読み書きする一台とを別々に備えるのが通常の形態となり標準となった。この system driveを A、data driveを Bと呼ぶ(drive自体に違いがある訳ではない)。driveを増やせば更に C、D・・・と名前が付けられていく。だが一般にはA、B二台を備えるのが標準であった。

  • ハードディスクドライブ(HDD)
     Floppy diskは初め 8inchの大きさであったが次第に小型化し、 5inchさらには 3.5inchとなった。記録容量も当初に較べれば格段に増し、今では1.44Mbのものが普通である。だが、パソコンが扱うdata量が膨大になりOSが巨大化してくるとともに、更なる記録容量の増大が求められ、硬い磁気板(hard disk)を記録媒体にしたhard disk drive (HDD)が主流となって来た。仕組みは基本的にfloppy disk driveと同じだがdriveからのdisk取り外しを全く考慮していない分、より精密になり記録容量が桁違いに大きい。このHDDを新たに付けたパソコンでは、このdrive名は当然 Cとなる。

  • HDDからのシステム起動
     HDDは元々記録媒体の取り外しを考慮していないのだから、これをパソコン内部に初めから組み込んで其処にOSを載せておき、sysytemをAドライブのfloppy diskから起動せずにCドライブのhard diskから起動すればsystem diskが不要となる。この様にして起動diskを必要とせず、OSをROMに組込んだパソコンと同じ様に、電源を投入したら直ぐに使えるパソコンが生まれた。ROMからOSが起動するパソコンと違い、system領域にも自由に書き込みが出来るのでOSの改良も比較的容易である。こういうパソコンはfloppy disk drive(FDD)が無くても通常の作業には支障が無いのでFDDを持たないものも多いが、ハードディスクドライブの番号は混乱を避ける為に昔のままとなっている。マイ コンピュータの中に見えるハードディスクドライブの名に Cが付いているのはそういう訳である。Hard disk(HD)は記録領域が大きいので多様なsoftware programを載せて置く余裕が充分にある。Software毎にdiskを差し替える手間が不要となったし、パソコン性能も向上したので複数の作業を同時に行う事が出来る様になり、作業能率が随分向上した。

  • その他のドライブ、ディスク
     パソコンには内臓のHDD以外に、CD(=compact disk)を読むCDドライブかDVD(=digital versatile[video] disk)を読むDVDドライブが付いている。このドライブ名は通常 Cの次の Dである(内臓HDDが二つに分けられている場合は E)。CDは数百MB、DVDは数GBの容量を持っているので、大きなprogramや関連fileを一枚のdiskから読める。その他、光磁気ディスク(=MOディスク、magneto optical disk)やUSB (universal serial bus) memoryの様な記録媒体がある(USB memoryは持ち運びする小さな stick自体がドライブでもある)。パソコンに着脱可能なドライブは、接続する度にドライブ番号をOSから割り振られる。パソコンがFDDを持っている場合は、前述の様にそのドライブ名は Aである。

  • CPU
     パソコンの頭脳はCPU(=central processing unit、中央処理装置[中央演算子])であり、パソコン性能は基本的にCPU能力に依存する。CPUの能力は或る時間内(例えば 1秒内)にどれだけの処理を行えるかで測れるが、これを表す大まかな目安がクロック周波数(clock frequency)である(CPU性能表に ???MHz、???GHzの様に表記されている。マイ コンピュータのプロパティにも示される)。CPUには様々な型があるが、同じ型のCPUであれば高周波数の方が処理速度が速く高性能である。



  • Fileの階層管理
     パソコンのドライブには、上述の様に A,B,Cとdrive番号が振られており、様々なprogramやdataは個々に名前を付けられて、ドライブのdiskにfileという形で記録(保存)される。このfileの数が少なければdiskにあるfileを全て表示させ、ざっと眼を通すだけで目的のものが見つかるが、何百何千と多くなってくると手に負えない。そこで、各diskを幾つかの小部屋に仕切り、その中にfileを置くようにした。この小部屋がdirectory(=folder)である。Folderは幾つも作れるし、且つfolderの中にfolderを作り、その中に更にfolderを作る事も出来る。家に幾つも室があり、各室に棚があり、各棚に箱が置いてあり、その箱一つ一つが仕切られていて、その仕切りの中に目的の物を置く、といった具合である。この様なfile管理の仕方が階層管理である。階層は幾らでも深く出来るし、場所が違えば同じfile(folder)名を使ってもよい。
       ┌--Folder_A----┬--Folder_A1--  ┌--Folder_A2a----┬- file_A
     C:┼--Folder_B--  ├--Folder_A2----┼--Folder_A2b--  ├- file_B
       ├--Folder_C--                   └- file_A        ├--Folder_B--
    

  • Path(=道筋)
     例えば、Windows付属の簡易エディターであるメモ帳は、CドライブのdiskのWINDOWSというfolderにあり、program名はnotepad.exeである。また、文書処理softのWordは、Program Filesというfolderの中にあるMicrosoft Officeというfolderの、更にその中にあるOfficeというfolderの中にあるwinword.exeという名のprogramが本体である。Fileの場所をきちんと示したものをpath(=道筋)と言い、drive名を頭に順々にfolder名を列挙していき最後にfile名を書く。従って、pathを含めて正しく記述すれば、メモ帳は C:\WINDOWS\notepad.exeであり、Wordは C:\Program Files\Microsoft Office\Office\winword.exeである。各folderを分ける記号には¥が用いられる。Drive名の後には:を付け、それがdriveであることを明示する。もし或るfile AAAが、folderの中ではなく C driveのdiskに直接置かれていれば、そのfileは Cのルート(=root、根底)にあると言い、C:AAAもしくはC:\AAAと表記する。

     パソコンの電源投入後、初めに現れる操作画面のdesktopは一つのfolderである(C:\Documents and Settings\user-name\デスクトップ)。我々があるfolderを開くとOSであるWindowsは中にあるfile(やfolder)を読みに行くが、そこに沢山のfileがあったり大きなfileがあったりすると時間が掛かる(つまり重い)。


  • Programの実行、shortcut
     Programの実行は、通常そのprogramに関連付けられたデータファイル(かprogram自体)のiconをclickして行うが、keyboardから直接program名を入力して行う事がある。Windows左画面下のスタートボタンをclickすると「ファイル名を指定して実行」という欄があるが、ここで或るprogramを実行しようとする時には、pathを含めて正しく記述しないといけない。Windowsのシステムに深く関わるfileに付いてはfile名だけで良いが、それはwindowsが起動する時にそれらのfileが存在する場所を予め教えて(pathを通して)あるからである。さて、或るprogramをinstallするとdesktopにshortcutが出来る事があり、また我々が簡便な操作の為に自身で作ることもある。このshortcutには、実行programの場所がpathを含めて正しく記述されており、clickするとそのprogramを読みに行く様になっている。

  • 拡張子(extension)
     File名には、そのfileがどんな種類のfileなのかを示す便宜的なgroup名 −拡張子− が付いている。拡張子は、periodの後に通常 3文字で記述される(com  exe  doc  txt  dat  hlp 等。これらは、それぞれ command=命令する; execute=実行する; document=文書; text=文章; data=資料; help=助け の意)。Windowsの初期設定では一般的な拡張子は表示されていないが、これらもフォルダツールのフォルダオプションで見える様にする事ができる。Program fileの拡張子は .comと .exeである(多くは .exe)。


  • HD空領域の利用
     先にパソコンは処理作業をRAMで行うと述べたが、扱う作業量が多くなってくると共にRAMの上だけでは処理しきれなくなって来た(何百MB、何GBもの画像処理や大量の文書処理など)。現在のパソコンは処理作業にHDの空領域をも利用している。空領域が大きければ、programが中途で生成する一時fileのディスクへの書込みが容易に行えるので処理作業が楽に進む。


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