平成28年度岡山理科大学プロジェクト研究推進事業進捗状況公開

古代窯業生産の研究-備前邑久窯跡群を中心に-

1.研究プロジェクト名

古代窯業生産の研究-備前邑久窯跡群を中心に-

2.研究者

(研究代表者)
 亀田修一:生物地球学部 :総括
(研究分担者)
 白石純 :生物地球学部 :胎土分析・発掘調査
 徳澤啓一:総合情報学部 :土器製作技術・発掘調査
 畠山唯達:情報処理センター:磁気探査・考古地磁気による年代測定

3.研究の背景

 標記研究に関して、メンバー4人は、平成22~25年度の科学研究費補助金(亀田ほか2014)などによって研究してきた。たとえばこれまでほとんどわかっていなかった邑久窯跡群の8世紀後半や10世紀の窯構造や須恵器の器種構成、流通範囲の広がりなどを明らかにすることができた。また「□□十六年」銘粘土板(墓誌または買地券)、「福」押印須恵器椀、「葛原小玉女」ヘラ書き須恵器壺など極めて珍しい年号や人名を記した文字資料も検出することができた。

 また、この研究では単に人文科学的な考古学研究だけでなく、胎土分析を専門とする白石や考古地磁気学を専門とする畠山などの協力を得て、考古学と自然科学を総合化し、先進化させた調査研究方法を用いて、備前邑久窯跡群の解明をめざしている。

4.今年度の研究の現状

 今年度は8月22日(月)~8月31日(水)、これまで調査してきた備前市佐山東山窯跡の窯構造の確認を目指して発掘調査した。

 これまでの調査では窯の先端部である煙突部分と焚き口部分を確認していた。しかし、これらが1つの窯であれば、全長(斜距離)が約17mになり、日本の古代の窯の中で最大級になることから、確認の意味も含めて未調査部分を発掘調査した。そして結局1つの窯である可能性が高くなった。

 来年度さらに確認調査を行うが、もしこれで間違いなければ、なぜ、この備前、邑久窯跡群の8世紀後半の窯が17mもの巨大な窯であるのか、今後検討しなければならなくなる。  来年度には日本の窯跡研究者で作っている「窯跡研究会」のメンバーに発掘調査中のこの佐山東山窯跡の場に集まっていただき、みなさんに見ていただくとともに、いろいろな意見をうかがえればと思っている。

 白石の胎土分析に関しては、各教育委員会などで試料をいただき、鋭意分析を進めている。

 畠山の考古地磁気による年代測定に関しては、今回も現場で試料を採取し、さらに検討を進めているところである。

5.発掘調査の状況

窯俯瞰

手前の深いところが焚き口で、
上の白いところが煙突部分です。
これで斜距離約17mです。

窯床面

学生さんが窯跡の中央部の床面を掃除し、
写真撮影の準備をしているところです。
学生さんの前方の灰色の部分がカチカチに
焼けた窯の床面です。
古地磁気サンプリング

畠山が考古地磁気による年代測定の試料を
採取しているところです。
平面図

佐山東山窯跡の平面図(クリックすると拡大します)

参考文献:亀田修一ほか2014『備前邑久窯跡群の研究』

(2016年9月28日公開)