熱中症リスク                         

屋外空間の違いによる熱中症リスクの差を知る

熱中症指数として、WBGT(湿球黒球温度)を用いました。乾球温度・湿球温度・黒球温度の3つの温度を測定することで、その場のWBGTを知ることができます。


      




観測期間の4日間は、岡山市内で熱中症により救急搬送された人がみられました。




日中は、スポーツトラックで最もWBGTが高く、「危険」「運動中止」ランクのなかでも33〜34℃にまで達しました。反対にWBGTが屋外のなかで最も低かったのはビル街で、スポーツトラックよりも3〜4℃は低いようです。ビル街のWBGTは、屋内である体育館のWBGTとほぼ同等でした。



なぜビル街ではWBGTが低かったのでしょうか?WBGTを求めるときに使った3つの温度について分析したところ、どうやら黒球温度が日中にあまり上昇しないことが原因のようでした。これは、ビル街では高い建物が多く日影が道路上に数多く、しかも広く形成されるので、日向環境に比べて黒球温度が上昇しにくいのです。

      


 
関連する公表論文

Yuki IWAMOTO and Yukitaka OHASHI (2021)
Assessing the climatological relationship between heatstroke risk and heat stress indices in 47 prefectures in Japan.
GeoHazards (MDPI), Vol.2, Issue 4, pp.321-331, OPEN ACCESS, doi:10.3390/geohazards2040017.

大橋唯太(2010)
  : 都市域における熱中症指標WBGTの変動特性
  環境情報科学論文集24,No.24,November,pp.417-422.

大橋唯太竜門洋重田祥範(2009)
  : 都市域のさまざまな活動空間でのWBGTの比較
  日本生気象学会雑誌,Vol.46,No.2 June,pp.59-68.


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