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一寸先は霧・・・
大分県別府市の山側では、一年に何度か激しい濃霧に見舞われます。この濃霧によって、別府市内を通る高速道路が通行止めとなることもあり、地域にとって大きな問題となっています。「一寸」は3センチほどなので、さすがに言い過ぎかもしれませんが、濃霧の定義である「100メートル未満」の視程には、なっていそうです。濃霧の発生は、春から梅雨明けまでと秋雨の時期に多いようです。


現地観測に挑む
この地域の濃霧は、過去にほとんど観測調査がされていないことがわかり、実際に観測をおこなうことにしました。(左上写真)第1期観測メンバー。(右下写真)濃霧のときの視程を測定できる視程計。
 
 

実際に撮影された濃霧
観測期間中、濃霧の撮影に成功しました!この映像は、株式会社アイ・アール・システムの方に編集していただいたものです。映像時に測定された視程の値が左下に表示されています。視程が100m未満のときが濃霧と定義されているため、このとき濃霧が観測されたことになります。
今回の観測では、株式会社アイ・アール・システムの後方散乱式視程計を用いました。超小型タイプ(MiniBSV)なので、設置場所の選定や実際の設置が楽という利点があります。 【紹介リンク(アイ・アール・システムHPへ)】

別府湾からの滑昇霧
この濃霧は、別府湾から侵入してきた暖湿気流が、急斜面の山を滑昇した際に発生する滑昇霧だと考えられます。興味のある方は、「3.数値シミュレーション」のページをご覧ください!今回の観測では、大分トラピスト修道院ならびに別府市観光戦略部観光課の関係皆様に、機材の設置でご協力をいただきました。
(左写真)別府湾の北部方面の景色。(右写真)別府湾の南部方面の景色。

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